最近のコンテンツビジネス業界について、憂慮することや、その展望について、述べていきます。
■ 実は自動車業界と同じくらいの市場規模を持つコンテンツビジネス業界!
「情報メディア白書」によると、実はコンテンツビジネスは自動車業界と同規模の市場規模を持つのです。2002年度でおよそ12.5兆円の規模を持っています。また旧通産省が1998年に答申した「21世紀経済産業政策の課題と展望(最終答申)」によれば、コンテンツビジネスは今後も年に平均2~4%の伸びが予想されています。ブロードバンドの普及や、地上波デジタルの開始などメディアの急速な発展という要因もあって、今後相当規模の消費基盤が形成されることが予想されています。
この状況に対して政府が2004年に設立した「知的財産戦略本部」では、今後の日本の産業のリーディングカンパニーとしてコンテンツビジネスを考え、コンテンツビジネスが抱える課題の解決し、行政面でサポートしていくことが方針として打ち出されました。
■ 現在業界が抱える問題とは?
一般的にこの業界で言われいる課題をまとめると…(1)資金を供給する環境が未整備であること(2)マーケティング環境が未整備であること(3)権利関係についてがあいまいであること
業界内で実際に働く身として、一番実感するのは、放送局(+広告代理店)や出版社など、巨大な流通チャンネル(メディア)の影響力があまりにも強すぎて、実際に作品を制作する側に十分な利益の配分がされていないことです。(※)
※決してメディアが不要だとかという意味ではありません。
例えば、ある映像クリエーターが面白い企画を考え、それを製作しようとしたとします。まず、問題となるのはその製作費。近年の技術革新のために比較的コストをかけずに映像を製作することは可能にはなりましたが、とはいえ、ある一定のクオリティを保とうとすれば、それ相当の資金が必要となります。また、実際に売り出すに当たっても、プロモーション費などでお金がかかります。現在活動をするクリエーターや中小制作プロダクションの多くは、こういった資金を準備することができず、多くの場合、放送局や広告代理店などの流通チャンネルからの受注制作に甘んじるしかなくなるのです。その場合、著作物の権利は流通チャンネルが持つことがほとんどです。(※)
※正確に言うと、著作権そのものはそれを制作した個人・法人に原則として帰属することが「著作権法」で定められていますので、著作権そのものはそれを直接制作した本人が持つことになります。ですのでここではその権利を行使する権利が流通チャンネルに全て持って行かれ、その行使する権利を本来の著作権者が持つことができないということです。
結果としてクリエーターや実際に制作するプロダクションには、著作物に対する適正な収益がもたらされることなく、いいアイデアや企画を持っていたとしても、それを実現するだけの体力がないために実現できないことがほとんどとなってしまっています。
■ 今後課題解決に向けて
行政面での法整備というのはもちろんのことですが、まず一番深刻な問題となっている資金面の問題の解決が必要だと思います。
まず、より多様な資金調達のスキームを作り上げていくこと。そしてその多様な資金調達を駆使して、資金を集め、それをもとにビジネスモデルを描くことができるプロデューサーの存在がキーとなります。
そういったプロデューサー育成のための教育機関は今のところ私は聞いたことがないのですが、産学両面で育成のための仕組みを作っていくことが今後、必要不可欠になってくるのではないかと思います。
■ vodcastingやskpecastなどIT型映像メディアは、コンテンツビジネスにどう影響していくのか?
とりあえず、私はコンテンツビジネスそのものと何らかの影響を及ぼすであろう、vodcasting(※)やskpecastなど、ITを使った映像配信メディアの発展について、興味深く見守っていこうと思っています。少なくとも私はそれらの発展が、既存の放送局などを完全になくしてしまうとは思いません。あくまで同時に存在しながら、それぞれの特性を生かしたビジネスを展開していくと思います。
どちらにせよ、こういった新規参入のメディアに重要なのは、そのメディアを使ったビジネスモデルがどう生み出されていくのかという点と、それがどのような成功を収めていくのか?ということだと思います。
Podcastingについては前の記事でも書きましたが、徐々にビジネスモデル化の動きも出てきています。
これらのメディアの変化が、クリエーターにとって多くの可能性をもたらす結果になることを願います。
※vodcastingについては【CNET JAPAN 渡辺聡さんのBlog「情報化社会の航海図」】の記事に取り上げられています。
■ まとめ(というか今後のFUTURAMA JAPANのビジョンについてちょこっと)
FUTURAMA JAPANは、クリエーターやその卵の方々が、継続的に作品を提供し、そして、それに応じた適正の収入が得られる仕組みを提供したいと考えています。そのためにいろいろな映像およびその周辺の情報を提供していければと思っています。あらためて宜しくお願いします。
■ 今回の記事を書くにあたって、非常に参考になった書籍をご紹介します。
コンテンツビジネスの資金調達スキーム ( 著者: ジャパン・デジタル・コンテンツ 出版社: ...

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