3/17/2005

日本×ロンドン

ここ最近ロンドンのプロダクションやクリエーターとのお付き合いが増えてきたことがきっかけで、よく日本のプロダクションやクリエーターのあり方について考える機会が増えています。以前の記事で、日本のプロダクションの現状について、「放送局(+広告代理店)などの下請け、受注制作に収益を頼るしかなく、正当な意味での利益配分がなされていない」などということを書きましたが、それは原則としてロンドンのプロダクションなどにも同じことが言えるかもしれません。ロンドンのプロダクションの多くは(私が知る限りですが)やはり基本的には、その収益の多くは受注制作から得られます。
しかし、その一方で日本と異なるのは、WEBやグラフィック、CM、MVなどの映像などのジャンルを超えて、ひとつのジャンルに限らず、総合的なディレクションと制作が可能なプロダクション、もしくはクリエーターが多いということでしょうか?日本のプロダクションは、いい意味でも悪い意味でも細分化され、映像ひとつとってみても、映画制作会社、CM制作会社、TV制作会社というように各プロダクションによってその専門が分かれており、WEBやグラフィックなどを含めると、ほぼその横のつながりは無いに等しいと思います。いわゆる縦割りというやつですね。しかし、ロンドンには、WEBデザイン、パッケージデザイン、プロモーション用の映像、から始まり、制作のためのシステム構築(WEB上でコンテの閲覧や進行状況のチェックなどが可能なツール)までを含めてオールインワンで提供する制作会社も存在します。また、アーティストとして美術館等でインスタレーションを提供しながら、その一方でミュージックビデオも手がけたり、WEBデザインを行ったり、するクリエーターもいます。(※)
※日本にはそういった方がいない、ということを言っているのではなく、あくまで、大きな業界の枠組みで見た際の話ですのであしからず。
この違いの要因ですが、あくまで専門性から離れて私自身の私見ですが、やはり「表現する」ということの考え方の違いのように思います。ロンドンのクリエーターと話をしていると感じるのですが、彼らは「表現する」という点が一番大事で、それをアウトプットする方法(それが、映像だろうとグラフィックだろうとWEBデザインだろうと)はどんな形でもよいと考えているようです。映像作家とか、CMディレクター、WEBデザイナーというカテゴリーごとにわかれた形ではなく、真の意味で「表現者」という点にこだわっているのですね。
日本において、この「表現者」としてジャンルを超えたクリエイティブディレクションとプロダクション(制作)を行っていく形が、新しいプロダクションの形となっていくか?といわれると、ちょっと正直なところわかりません。ただ、商品プロモーションの視点でいえば、商品そのもののデザインやそのブランドイメージが、売れるかどうかの重要な要因となっている現在の状況を考えれば、統一したディレクションと制作が可能となるこのやりかたは、現状の制作プロダクションの状況を変える一つの選択肢となるのかもしれません。
参考までに、日本でもここ最近活動しているロンドンのプロダクションをご紹介します。
Unit9FlashムービーやWEBデザインなどを中心に、ミュージックビデオ、CMなどの映像制作、ブランドデザインを手がけるロンドンのプロダクションです。一昨年の日産「trunk」プロジェクト(ショートムービープロジェクトのオープニング映像を担当)や昨年の「東京モード学園」CMなど、日本での制作実績も多くあります。
BEN'>http://www.racaillesfilms.com/">BEN HIBON元Unit9でテクニカルディレクターをしていたBEN HIBON氏のプライベートHPです。いくつか作品がみることができます。

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